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【週二の休みはきつい】週休二日では足りない・少なすぎる・疲れがとれないのは当然です

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週に5日働いて、休みが2日なのはおかしい気がする。

休みは2日あれば充分という人もいれば、休みが2日では仕事の疲れが取れないから、もう少し休みを増やして欲しいと考える人もいます。

世界中で「1週間に5日間働いて2日休む」という週休2日制度が導入されており、日本は週休2日どころか、最悪の場合週に7日働くという場合もあるくらい仕事に費やす時間が多いです。

週に4日働いて3日休む方がいいという意見もありますが、「週4日労働制の方が効率が良くなる」ということが、実際に導入した企業の事例と共にCityLabでまとめられていますので、ご紹介したいと思います。

この記事でわかること

  • 週休2日は効率が悪い理由
  • 週休2日になった理由

この記事を読むべき人

  • 週休2日は少ないと感じる人
  • 週休2日に疑問を感じる人

では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。

週休2日制の起源

週休2日が定着するようになるまでは長い時間が掛かったことをイギリスのポーツマス大学で社会文化史を教えるブラッド・ビーヴン教授が指摘しており、ビーヴン教授は、「土曜日と日曜日を休日にする」というのは比較的近代的な現象で、その起源は19世紀のイギリスにあると解説しました。

1817年、実業家にして革命家だったロバート・オーウェンは「仕事に8時間を、休息に8時間を、やりたいことに8時間を」と提唱し、当時イギリスで平均的だった10時間から16時間という労働時間に異を唱えました。

そのような運動の末、イギリス政府は1833年に工場法を制定し、この法律によって、9歳未満の児童労働が禁じられ、9歳~18歳未満の労働時間は週69時間以内に制限されましたが、休日は宗教的に定められた安息日である日曜日のみで、当時は週6日労働が一般的でした。

労働観の変化

ビーヴン教授によると、労働観の変化の発端となったのが「聖月曜日」という考え方です。

聖月曜日の起源

当時の熟練工には「週末までに製品を完成させる」というノルマがあり、多くの場合納品日は毎週土曜日に定められていました。

熟練工は土曜日夜遅くまで働き、そして時折日曜日に超過労働をするという状態で、それゆえ「月曜日は休む」という働き方になっていきました。

これが「聖月曜日」の起源です。

この働き方は次第に一般的になり、音楽会場や劇場などの商業施設が月曜日にイベントを開催するようになりました。

他方、宗教団体と労働組合もまた「休日を増やす」という活動を熱心に行っていました。

ビーヴン教授によると、宗教団体は土曜日を休日にすれば労働者階級は「精神的および道徳的に改善する」と主張したとのことです。

一方の労働組合は労働者の利益のために休日を増やすことを主張しました。

今日でも、20万人が参加するイギリスの労働組合Public and Commercial Services Unionは、労働組合の輝かしい業績の1つに「休日を増やしたこと」を挙げています。

早期週末組合

1842年には、早期週末組合という労働組合がロビー活動を行って、労働者の間で一般的だった聖月曜日の代わりに「土曜日の午後」を公式に休日するべく尽力します。

早期週末組合が多数の街に支部を設立して会員を集めたことと「勤勉な労働者を育てられる」と主張したことが功を奏し、土曜日の午後休を認める雇用主も次第に現れました。

早期週末組合の動きを受けて、他の労働組合と労働者禁酒団体も「労働者の印象を変える好機」と見て運動に参加しました。

当時、酔っ払いの労働者や闘鶏などの野蛮なスポーツが聖月曜日には一般的だったため、工場労働者は社会的地位が低かったのです。

このような状況の中、労働組合や労働者禁酒団体は、土曜日の午後休を「理性的なレクリエーション」に充てることを推奨しました。

土曜日の午後休を認めるかどうかは工場次第だったため、「一般に浸透する」には時間が掛かりました。

ビーヴン教授は、週末に休日を設けるという運動が始まったのは1840年代ですが、雇用主、宗教団体、レジャー産業、労働者が土曜日の午後休を一般的だと見なすようになったのは約50年後の19世紀の終わり頃だと指摘しています。

そして、この土曜日が丸々休みになったのは、1930年代のことで、土日を休みにすると労働者の欠勤が減り、効率が上昇したことが判明したことが原因だとビーヴン教授は説明しました。

週休2日制は非効率

ポイント

週に55時間働いた人は、週40時間しか働かなかった人に比べて知的作業の効率が下がってしまうことがわかっています。

人は休憩の後に90分間の爆発的な集中を得ることができます。

これらをまとめると

まとめ

労働時間を減らして休憩を多く挟むことで長時間働くよりも効率的に仕事ができる、ということになります。

Googleのラリー・ペイジCEOは、自社で実行していないものの「週4日労働制」を推奨しており、プロジェクト管理ツール「Basecamp」のジェーソン・フライドCEOは、従業員に対して1年間の半分は「週4日労働、週32時間」という勤務体系を採用しています。

フライド

圧縮された労働時間の中では、少ない時間を大切にするため、重要なことに注目する傾向があります。

フライド氏は、このようにニューヨークタイムズに話しています。

さらに週4日労働制は従業員の血圧を低下させ、メンタルヘルスを改善させる効果がある、と主張しています。

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週休 3日制を実現するには

世界的に週休2日制が認められているため、ほとんどの会社は取引上の都合などから平日を休みにすることは難しいのが実情です。

そこでヒューストンのコンサルタントであるデイビット・ステファン氏がLinkedInで週4日労働制を取り入れるための解決策を提案しています。

その方法とは会社を2つのチームに分割して分業制にすることです。

Aチームは月曜日~木曜日までを割り当てて、Bチームには火曜日~金曜日を割り当てます。

この勤務シフトは毎週切り替わるため、週末は実質的に4連休になります。

営業時間は8時~17時から7時~18時までに変更され、1日の労働時間は10時間に増えていますが、勤務日の病気欠勤も取得しやすい環境であり、全体の士気は急上昇。

従業員は「8時間で週に5日働くより、10時間を4日働く方が良い」と、新しい勤務体系を好んでいるとのことです。

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