SNSなどで誹謗中傷をする人は、どのような人なのだろう?
あまりSNSなどを利用しない人にとっては関係のない話かもしれませんが、よくSNSを利用する人、特にSNSで多少の知名度があるインフルエンサーや、有名人の方にとっては付き物の「知らない人からの攻撃」。
最近、SNSでの誹謗中傷が大きく問題となってきており、自殺に追い込むレベルの誹謗中傷をしたりする人がいることもご存知だと思います。
そんなインターネット上で特定の個人やコンテンツ、思想などに対して過激な暴言を吐いて攻撃する荒らし行為をする人というのは、一体どのようなタイプの人間なのかということについて調べた研究がありますので、その研究を参考にご紹介していきたいと思います。
もし皆さんの身近に今回ご紹介する「攻撃」をしてくる人の特徴が当てはまっている人がいる場合、その人と関わると、皆さんが攻撃をされる標的になってしまう可能性もあり、危険かもしれませんので、事前に知っておくことでそのようなことを防げるかもしれません。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
目次
オンライン上で攻撃する人の特徴
オンラインにおける他者や集団への攻撃は単なる「ソーシャルメディア上の問題」としてではなく、「新たな形態の暴力」として捉えられるべきです。
そこでヘルシンキ大学の研究チームは、オンライン上での攻撃性が強い人々の特徴を調べる研究を実施しました。
研究チームはフィンランドに住む15歳~25歳の若者1200人を対象にアンケートを実施し、オンライン上での攻撃性と個人の性格や精神状態、ソーシャルメディアの使い方などを調べました。
衝動的な性格や精神状態の悪い人
「衝動的な性格」というのは
- 静かにしていなければならない場面でしゃべり続ける
- 順番を待てない
- 思いついたことをすぐに口に出す
- 許可を得ずに他人の物を使う
- すぐに怒ったり手が出たりする
このような特徴が当てはまっている人は衝動的な性格と言えるでしょう。
衝動的で怒りっぽいから、自分をコントロールすることができず、すぐに他人を攻撃するというのは理解できると思います。
そんな衝動的な性格の人間が不安や憂鬱の精神状態になっている時は他の人を攻撃する確率が高かったということです。
TwitterやInstagramを使用している人
TwitterやInstagramを頻繁に使っていたり、投稿が多い人ほど、ネット上のヘイト活動やネット上で他人を攻撃する書き込みに加担しやすくなるということです。
Instagramはあまり例を見ないですが、Twitterで考えてみるとわかりやすいですよね。
現在は、多くの人がTwitterやInstagramを使用していると思いますので、これだけで相手が攻撃してくるかどうかの判断は難しいのではないかと思います。
ただ、衝動的な性格を持っていて、TwitterやInstagramをよく使用する人には、気をつけた方がいいかもしれません。
YouTubeやインスタントメッセージアプリを使用する人
インスタントメッセージアプリというのは、簡単に言えばLINEなどの連絡手段として使用するSNSのことです。
YouTube の場合であれば動画を見るという目的で、LINEなどのメッセージアプリは、知らない人と繋がるというよりは、知っている人との連絡手段としての役割が主なものになると思います。
これらの結果から、個人的および社会的な要因が、悪意のあるオンライン上の行動に関連していると考えられています。
研究結果についてさらに調べた研究
研究チームはその後のフォローアップ研究(実験の結果が本当か確かめる追跡研究)で、160人の若い被験者に対してアンケート調査を行い、被験者に架空のプロフィールを与えて質問に回答してもらうヴィネット調査も実施しました。
ヴィネット調査とは?
ヴィネット調査とは回答者に対して、研究者の側で構成した一定の状況を提示し、仮に回答者がそのような状況に置かれた場合に、どのような行動をとるのかについて、回答を求めるという方法のことです。
このヴィネット調査では、被験者らは
- 顕著に同質性が高いグループ
- グループの同質性について不明なグループ
この2つにランダムに割り当てられ、ギャンブルに関するソーシャルメディアメッセージについてどう思うかを回答しました。
この際、被験者には「同じグループのメンバーがどのような回答をしているか」も開示されましたが、この情報も研究チームによって操作されたものでした。
自己ステレオタイプ化の傾向が強い人
自己ステレオタイプ化とは?
自己ステレオタイプ化というのは簡単に言えば、自分が所属するグループやコミュニティにふさわしい特徴を自分が持っていると感じる傾向のことです。
つまり、ソーシャルメディア上で他者を攻撃しやすい人は、グループ内のステレオタイプに自分を重ねて依存する傾向が強いのです。
さらに、オンラインのグループにおける積極的なコミュニケーションを好む人は、自分の判断をグループのメンバーやステレオタイプに委ねる傾向もあります。
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