なぜ先延ばしをしてしまうのだろう?
なんでも先延ばしをせずにタスクを完了させる人もいれば、何をするにおいても先延ばしをしてしまう人もいると思います。
必ずしも先延ばしをすることは悪いとは言えないのですが、先送りする習慣がついてしまうと、なんでもかんでもとりあえず先延ばしにして、条件反射的に「またあとでやるから」というようにして自分で自分をごまかし続け、最終的には自分自身に跳ね返ってくるわけです。
そんな先延ばしですが、先延ばしにしてしまう人の心理について10個ご紹介したいと思います。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
目次
20%の人々は自分のことを先延ばしにする人だと認識している
現代の調査では95%の人が先延ばしをすることを認めており、また過去40年間で先延ばしが自身の性格の特徴だと認める人が急増しています。
先延ばしは、ほぼ万国共通で見られ古代の時代から言及がなされていました。
共和政ローマ末期の政治家、弁護士、文筆家、哲学者であるマルクス・トゥッリウス・キケロは先延ばしを「忌まわしきもの」と呼び、神学者のジョナサン・エドワーズは「未来の時間に頼ることの罪と愚かしさ」を非難する長い説教をしています。
先延ばしにより周りからの評価が下がる
なんでもかんでも先延ばしにしてしまうのはセルフコントロール、自己調整の問題であり、特にアメリカでは先延ばしにしてしまう人が多い傾向が強いそうです。
また、先延ばしにする際の理由はただの「弁解」であり、言い訳にすぎないのでその弁解を誰も真剣に聞こうとはしなくなるのです。
弁解を真剣に聞こうとされない結果、周囲からの評価が下がり、「あいつはああいういい加減なやつだ」という評価になり、自分自身の評価を下げてしまう原因になってしまうのです。
先延ばし癖はスケジュールや時間管理の問題ではない
意外かもしれませんが、すぐにスルーして
- あとで見る
- あとで読む
- あとで返事する
- あとでやる
このようにしてしまう人は、時間の見積もりができない人というわけではないのです。
ちゃんと何をするのにどれぐらいの時間がかかるのかはわかっています。
先ほどの先延ばしをする人はアメリカに多く見られるというのも、この楽観主義によるところが多いのかもしれません。
家庭環境から先延ばしすることを学んでしまっている
先延ばしする原因は生まれ育った家庭環境にもあるのです。
つまり、両親のうちのどちらかが権威主義的で、厳しく自分の子どもをコントロールしようとして、それがあまりにも強すぎるので子ども自身が自分で自分を律して調整する能力、自分自身の意図した行動の結果によって何が起きるかということを学ぶことができなくなってしまうのです。
そしてそういう親からの支配に対する「反抗」という形で「先延ばしにする」という行動が出てくるそうです。
先延ばしをする人はこの家庭環境があるが故に、家族よりも友人の影響を受けやすくなり、そしてこの友人たちによってさらに先延ばしにする習慣が強化されるのです。
なぜ友人で先延ばしにする習慣が強化されるのかと言いますと、この先延ばしにすることを許容してくれる人、そして先延ばしにする言い訳を許容する人を友人に選んでしまうためで、そうなってしまうと悪循環の開始です。
アルコールの消費量が多い人ほど先送りする傾向も強い
先延ばしにする人は、要するに自己調整、セルフコントロールができない人なので、必然的に飲酒なども適量で済ますということはなく、結果的にアルコールを他の人よりも大量に摂取してしまう結果になるそうです。
アルコールに限らず、薬物乱用などにも同じように陥りやすいそうなので、アルコールの摂取量を控えたいと考えている人で、先延ばし癖がある人は、まずは先延ばし癖を治すことから始めるといいでしょう。
先延ばしにする人は自分で自分に嘘をつく
先延ばしをする人は、自分の嘘をつく感覚を守るために「これは重要ではない」というように自分に言い聞かせるのです。
そしてさらに別の嘘として、締め切りが迫ってくるプレッシャーがあるときほどより「クリエイティブになれる」などというようなことを考えてしまうのです。
例
例えば
- 今は明日にコレをやりたい気分だ
- 期日が迫ってるプレッシャーがないと仕事をする気になれない
などというようにして自分に嘘をついたとします。
しかし実際には次の日にやるという気分でもないし、プレッシャーがあればいい仕事ができるわけでもないので、結果的には無駄に時間を浪費しているだけというわけです。
積極的に注意散漫になりがちなことを行う傾向が強い
先延ばしをする人は自分の注意を本来やるべき事からそらすことによって、本来やるべきことをやって失敗するという恐怖から自分の感情や自分自身を保護してしまうのです。
例
例えば、メールを必要もないのにこまめにチェックするなどです。
本来やるべき仕事よりも、「メールが何か来ていないか」ということの方が非常に気になるというわけです。
テスト前に掃除したくなるという人も多いと思いますが、あれも同じ理屈かもしれません。
先延ばしにする人には典型的な3種類のタイプがある
先延ばしにする人の3種類のタイプについてそれぞれご紹介します。
覚醒タイプ
覚醒タイプとは?
覚醒タイプとは、危機的状況まで何もしないことにスリルを感じる人です。
覚醒タイプの人は、締め切りぎりぎりで大あわてで仕事をこなすことに幸福感を覚えています。
締め切りぎりぎりまで先延ばしにして超特急で仕事をこなし、終わってから「いっぱい仕事した」というような感覚を覚える人のことです。
つまり、ぎりぎりまで放置した反省がどこにもない人です。
回避タイプ
回避タイプとは?
回避タイプとは、失敗する恐怖を回避するため、もしくは成功する恐怖を回避するために先延ばしにしてしまう人です。
これは決して能力不足なのではなく、努力することを怠っているのが原因です。
いわゆる「やる気になってやればできるのに」という人です。
意思決定不能タイプ
意思決定不能タイプとは?
意思決定不能タイプとは、決断ができない人のことです。
決断することによって発生する出来事の結果を恐れるため、意思決定することを先延ばしにしてしまうのです。
先延ばしにすると結果的に多大なるコストがかかる
先延ばしにする人は要するに自己管理能力も低いため、結果的に健康に対する害も大きいそうです。
風邪やインフルエンザにかかりやすく、胃腸障害も発生しやすく、それどころか不眠症にもかかりやすいのです。
さらに、先延ばしにして遅延させた結果の責任を他者に転嫁するため、仕事のチームワークを乱し、私的な関係をも破壊してしまうこともあります。
確かに、なんでもかんでも先送りにし続けるような人がいれば仕事は進まないし、約束も期日通りに守ってくれないのであればプライベートでも頼りにはされなくなるので必然的につきあいが疎遠になっていくのは当然です。
先延ばしにする人でもその行動を変えることはできる
先延ばしをしてしまう性格を変えるには多くの精神的なエネルギーが必要ではありますが、「認知行動療法」によって改善可能です。
なので先延ばし癖を改善したいと考えている人は、諦めずに改善する努力をするといいでしょう。
おすすめの本
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