過去のトラウマがフラッシュバックして辛い・・・
肉体的もしくは精神的に衝撃的な出来事を経験すると、人は心に心的外傷(トラウマ)を負ってしまう場合があります。
過去にトラウマになってしまう出来事があり、それをなかなか忘れることができず、思い出すたびに辛くなってしまう人は少なくありません。
とある研究によれば、幼少期に抱いたトラウマは、大人になってからも当人に悪影響を与え続け、その範囲は健康・財政・教育レベル・BMIなどさまざまであることが明らかになっていますので、今回はその研究についてご紹介していきたいと思います。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
心理社会的環境について
この研究は米国科学アカデミー紀要(PNAS)で発表されたものになります。
イギリスで行われている1958年生まれの1万7000人を対象とした追跡調査のデータを分析することで、幼少期のトラウマと成人の健康状態のつながりについて分析しています。
幼少期のストレスやトラウマが人の成長にどのように影響するかについては、すでに多くの研究がなされていますが、今回の研究はその成果を補強するものです。
1990年代半ば、17,000人以上の成人を対象に、以下などの経験に関する情報を収集する「幼少期の逆境(Adverse Childhood Experiences: ACE)研究」を実施しました。
- 過去の虐待
- 育児放棄
- 家族の機能不全
その後も、ACE研究の結果を裏付ける研究が次々と行われています。
幼少期のトラウマと大人になってからのストレスとの関係は、ほとんどの場合、不健康な行動、BMI、社会経済的地位を通じて表現されるが、一部にとどまるという。
生物学的に直接的な関連性があるかどうかは、もっともだが、今のところ不明である。
しかし、ストレスが神経系、内分泌系、免疫系に持続的な影響を及ぼす可能性を示唆する研究もあります。
その関連性が決定的に存在するかどうかを判断するには、さらなる研究が必要になってきます。
ストレスが脳に与える影響
ストレスが健康に悪い影響を与えることはよく知られています。
今回の結果を受けて、研究者たちはトラウマの影響をよりよく理解するために、発展途上国などの新たな状況下でさらなる研究が行われることを期待しています。
また、公衆衛生の観点からも、今回の研究結果は、すでに発表されている研究結果と合わせて、虐待的な環境に介入するための政策の制定に役立つかもしれません。
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