仕事の邪魔をされてなかなか仕事が進まない・・・
割り込みは様々な形でパフォーマンスを低下させ、生産性の低下、エラーの増加、仕事の質の低下を引き起こします。
また、中断されると、イライラや不安などのネガティブな感情が沸き起こります。
頻繁に中断されると、時間が経つにつれ、ストレスを感じたり、イライラしたり、やることが多すぎて時間が足りないという「時間飢餓」の感覚に陥ることがあります。
しかし、コミュニケーションのニーズは予測不可能で時間的制約があることが多いため、中断は仕事をする上で必要なことなのです。
そして、どのような経路であっても、中断に対応することは、ほとんどの仕事において重要な責務となっています。
組織における対人関係と時間の使い方の専門家は、なぜ割り込みがこれほどまでにストレスになるのかを理解したいと思い、博士課程の学生と協力して、人々の割り込み体験に焦点を当てた研究を行いました。
その結果、適切な状況下では、割り込みはネガティブな感情ではなく、ポジティブな感情を引き起こすことがわかりました。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
意外にもポジティブな妨害行為
例
例えば、参加者が中断されたタスクや、中断された時に他に何が行われていたかなどを詳しく聞きました。
先行研究では、中断のネガティブな側面が強調されることが多かったので、今回の調査で、多くの中断がポジティブに経験されていることがわかったのは驚きでした。
この意外な発見に興味を持った専門家たちは、中断の経験を悪いものではなく良いものにするにはどうしたらよいか、データを使って考えてみました。
時間とタイミング
仕事を中断された経験の違いは、時間に関する人々の考え方によって説明できることがわかりました。
西洋文化圏の人々の多くが時間を限られた貴重なものと考えているように、仕事を中断された人々は、中断によって自分の時間の使い方を変えざるを得なくなることを、多くの場合、無意識のうちに考慮しています。
例えば、今回の調査対象者は、割り込みを「時間的価値」という観点から判断していました。
優先順位が高く、他のプロジェクトとの関連性があり、明らかに社員の仕事の範囲内であると判断されたタスクを伴う中断は、「時間的価値」があると言えるでしょう。
人は意味のある仕事を進めることに最も関心があることを考えると、参加者が中断が自分の時間に値するかどうかを考えることは理にかなっています。
また、中断のタイミングが人々の感情的な反応に大きな影響を与えることもわかりました。
今回の結果は、タイミングの悪い中断は、仕事のパフォーマンスを妨げる可能性が高いという先行研究の結果を反映しています。
人間関係と仕事量も重要
もうひとつの発見は、人間関係の重要性でした。
これは驚くべきことではありませんが、研究者たちは割り込みの対人関係の側面についてはまだ調査していません。
人は、割り込んできた相手に好感を持ったり、尊敬したりすると、ポジティブな感情を抱きます。
場合によっては、個人的な好意が、中断が「時間の無駄」、「タイミングの悪さ」、「長すぎる」と思われたとしても、良い経験をもたらすことがあります。
また、従業員の全体的な仕事量が割り込みの経験に影響することもわかりました。
やるべきことがあまりないときに中断された場合は、予期せぬことに取り組んだほうがストレスが少ないと感じます。
また、仕事量が少ないときに中断された場合には、予期せぬことに取り組んでもストレスが少なく、期限切れや長時間労働を心配することなく、予定していた仕事に戻ることができます。
組織と従業員ができること
割り込みに関する研究をしているうちに、仕事が頻繁に中断される状況に直面している人たちの苦境を楽観的に考えるようになりました。
専門家は、仕事を中断される側にとって、中断をより良いものにする方法があると信じています。
他の経営研究者は、中断のない時間を作ることや、従業員に中断のない時間の「ノルマ」を与えて柔軟に使えるようにすることを提案しています。
今回の研究では、さらにいくつかの有用なアプローチを提案しています。
有効なアプローチの例
例えば、組織的なトレーニングプログラムによって、従業員が他人の邪魔をする方法、タイミング、理由について、より注意深くなるように指導することができます。
また、管理職が「健全な」割り込み行動のモデルとなることもできます。
割り込みは価値のある仕事に限定し、同じことをした部下に肯定的なフィードバックを与えることで、職場のグループ文化を少しずつ変えていくことができます。
従業員自身も、集中して考えなければならない仕事や厳しい締め切りに直面しているときには、通信アラートをオフにしたり、ヘッドフォンをつけたり、携帯電話の音を消したりすることができます。
しかし、リーダーやマネージャーがこの行動を率直に支持しない限り、個々の従業員がそうすることは難しいでしょう。
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