ダイエット 科学

【太っている人は健康?】肥満が引き起こす健康面の悪影響について

おじさん

体系は肥満気味だけれど、健康診断とかでも異常がなかったし、普段から気をつけているから大丈夫!

  • 太っていると健康的
  • 太っていると長生きする

このようなことを耳にしたりしますが、実際のところはどうなのでしょうか。

そんな疑問を解決してくれる研究がありますので、ご紹介したいと思います。

この記事でわかること

  • 肥満の原因について
  • 肥満の健康状態について
  • 肥満の死亡リスクについて

この記事を読むべき人

  • 肥満体型の人
  • 肥満は健康的だと考えている人

では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。

肥満の原因

おじさん

そもそも肥満になってしまう原因というのは、何なのでしょうか?

一般的に肥満の原因というのは、「食べすぎ」、「運動不足」などの生活習慣が理由とされています。

他には、「成長ホルモン」が原因な可能性があります。

博士

成長ホルモンというのは、脂肪の分解に関わっています。

運動をしても痩せない理由

運動をしているけれど、なかなか痩せないという人がいますが、このような人は、成長ホルモンの分泌量が少ないので脂肪が燃えにくくなってしまい、運動をしてもなかなか痩せないのです。

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成長ホルモンを分泌させる方法については、こちらをご覧ください

【ダイエットや肌に関係】成長ホルモンの分泌を促進させる方法

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肥満でも運動をすれば健康的?

これまで「太っていても健康」であるという良い肥満の存在が示唆されてきましたが、最新の論文では、以下のようなことが示唆されています。

最新の論文による示唆

運動している人であっても、過度な脂肪は心臓に悪影響をおよぼす。

これまでの研究で、適度な運動が「過剰な体重が心臓の健康におよぼす悪影響」を軽減する可能性があるという研究結果がいくつか発表されてきました。

つまり、これまでの研究では「太っているが運動をしている人」は、「やせているが運動していない人」よりも心血管が健康的である可能性が示唆されてきたわけです。

しかし、「太っていても健康」という考え方は否定されています。

この論文は、定期的に運動していることが「過剰な体脂肪による人体への悪影響」を排除する可能性は低いということを示した最初のものです。

「アクティブなライフスタイルが肥満の有害な影響を完全に打ち消すことができる」という考えに真っ向から対立するものです。

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肥満と運動量・健康の割合について

肥満と健康に関する大規模な調査を行うために、スペイン大手の健康保険に加入している52万7662人の就労成人のデータを活用しました。

被験者の平均年齢は42歳で、男女比は男性が68%、女性が32%でした。

まず、被験者をボディマス指数(BMI)による、以下の3つのグループに分類しました。

  • 正常体重(BMI:20~24.9)
  • 過体重(BMI:25~29.9)
  • 肥満(BMI:30~)

この結果、以下のようになりました。

  • 「正常体重」42%
  • 「過体重」41%
  • 「肥満」18%

続いて、世界保健機関(WHO)が推奨する成人の1週間あたりの運動量である「1週間あたり150分以上の中等度の運動、または75分以上の高強度の運動」をベースに分けて、以下の3段階のいずれに当てはまるかを調べました。

  • WHOの推奨値以上の運動をしている
  • WHOの推奨値を下回る程度の運動をしている
  • まったく運動していない

この結果は以下のようになりました。

  • 24.2%が「WHOの推奨値以上の運動をしている」
  • 12.3%が「WHOの推奨値を下回る程度の運動をしている」
  • 63.5%が「まったく運動していない」

最後に、心臓発作や脳卒中の主要な危険因子である、以下の3つに当てはまるかどうかを、心血管の健康度合いから調査しました。

  1. 糖尿病
  2. 高コレステロール
  3. 高血圧

その結果、以下のように判断されました。

  1. 「高コレステロール」30%
  2. 「高血圧」15%
  3. 「糖尿病」3%

肥満と正常体型の大きな違い

BMI値によるグループ分けに基づいたデータを見ると

運動の有無の違い

どのグループも運動していない人よりも運動している人の方が糖尿病・高コレステロール・高血圧である可能性が低いことが明らかになっています。

そのため、この結果は、体重に関係なくすべての人が健康を守るために運動を行う必要があることを示しています

おじさん

運動量は多ければ多い方がいいのですか?

どの被験者も運動量が増えるにつれて糖尿病・高コレステロール・高血圧となる可能性が減少しています。

ですので、「15分歩く」よりも「30分歩く」方が効果的なのです。

博士

心疾患に関わるリスク

また、「過体重」や「肥満」に分類された被験者は、運動量に限らず「正常体重」に分類された被験者よりも心血管に関わるリスクを患う可能性が高いことも明らかになっています。

「WHOの推奨値以上の運動をしている肥満」のグループは、「WHOの推奨値以上の運動をしている正常体重」のグループと比較すると

様々なリスク

高コレステロール血症のリスクが2倍、糖尿病のリスクが4倍、高血圧のリスクが5倍も高いことが分かっています。

つまり、肥満体型の人が運動する事によって、運動の効果は少なくとももたらされるが、正常体型の人の運動の効果よりも大きく劣ってしまうのです。

つまり、肥満体型の人は運動によって健康になる可能性が低下してしまうのです。

肥満体型であろうと、正常体型であろうと、運動はしたほうがいいのです。

おじさん

性別による変化はありませんか?

この発見は男性と女性を別々に分析した場合であっても確認できました。

つまり、関係ありません。

博士

肥満は死亡リスクを高める?

BMIが増加すると死亡リスクが高まる」と言われており、肥満にならないために定期的な運動や健康的な食事をして適正体重を維持することが推奨されています。

このことを調べるために、2018年7月9日と2018年7月12日に発表された「肥満と死亡リスクについて」の2つの研究をご紹介します。

ヨーク大学の研究

「肥満の人は本当に死亡リスクが高いのか」を調べるため、過去の同大学の研究で使用された5万4089人の男女のデータを集計して調査が行われました。

研究者は集めた人々のデータを

  1. 肥満のみ
  2. 肥満+高血糖値
  3. 肥満+高血圧

などのカテゴリーに分類し、体重が正常で健康的な人々と比較して、各カテゴリーに分類された人々の死亡率がどのくらい高いのかを調査しています。

この結果次のようなことがわかりました。

死亡率

肥満と合わせて「高血糖値」や「高血圧」などの異常を持つ人々の死亡率が高いことが示されましたが、同時に「肥満のみ」のカテゴリーに所属する人々の死亡率は「正常体重の健康的な人」と同レベルであったことも明らかになりました。

この研究は『正常体重の健康な人』と『肥満で健康な人』の死亡リスクが同じであることを示しています。

このため、肥満であったとしても、異常な部分がなければ無理にダイエットする必要はありません。

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インドの研究

インドの研究チームは2273人の成人を10年間にわたって追跡し、期間中に亡くなった671人の死因を調査しています。

この研究により、次のことがわかりました。

低体重による死亡率

肥満の人よりも低体重の人の方が死亡リスクが有意に高いことが明らかになりました。

研究チームは低体重の人の死亡リスクが増加する要因について、「重要な栄養素が満足に摂取できていないことで、最終的に死に至る合併症を発症してしまう可能性があるため」としており、健康的な食事を心掛ける必要があることを示しています。

この研究が肥満になることを推奨しているわけではありませんが、肥満の人の中には健康的な人もいるということです。

つまり、肥満の人でも偏った食事ではなく、健康的な食事をすれば、死亡リスク高めてしまうようなことはないのです。

おすすめの本

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