どのようにすれば効率よく勉強できるだろうか?
学生の方だとテスト勉強や進学のためなど、大人の方なら資格や趣味など、勉強をする機会はたくさんあると思われます。
しかし「勉強してもなかなか頭に入らない」という時がありますよね。
どうせ勉強するなら効率よく勉強をしたいと誰もが思うはずです。
大切なところを覚えるために、教科書にマーカーを引いたりしている方も多いと思いますが、実はマーカーを引く行為は意味がないのです。
このような意味のないことを省いて、意味のある行動を理解するだけで大きく差が出てきます。
ですので今回は、頭に残りやすくする為の勉強テクニックの研究をご紹介したいと思います。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
目次
勉強内容を記憶に残す
知識をつけるために勉強をするのは大切な事なのですが、ただ勉強するだけで頭に残っていなければ意味がないですよね。
例えば語呂合わせで「泣くよ(794)ウグイス平安京」ってありますよね?
この覚え方だと794年が平安時代が始まったという事は覚えれますが、平安時代に何が起こったかや、平安時代が終わったのはいつなのかという問題が出たら答えれませんよね。
中身について詳しく理解しておけば、語呂合わせも必要なく覚える事ができます。
なので理解する事が必要なのです。
そして、理解するには「文脈・コンテクスト」が大切になってきます。
覚える意味のあるものというのは必ずコンテクストがあり、そのコンテクストごと覚えることによって物事が使えたり応用できるようになるのです。
効く勉強法・効かない勉強法
本題に入ります。
2013年にアメリカのケント州立大学が過去に発表された様々な学習方法の論文を調べて、効果があるものとないもの10個の勉強法を調べたのです。
その勉強法について簡単に説明していきたいと思います。
インテロゲーション
インテロゲーションとは?
インテロゲーションというのは、テキストが正しいかどうかを自分で調べることです。
例えば「これを食べれば痩せる」という実体験の記事があったとします。
ですがそれは、その人は痩せたかもしれませんが、他の人も痩せるかと言われれば疑問を抱きますよね?
このように単純に情報を鵜呑みにするのではなく、疑問を抱いて自分で調べてみることがインテロゲーションになります。
自己解決
自己解決とは?
自己解説とは、自分が既に知っている情報や知識と関係があるのかを調べる方法です。
新しく得た知識が現在自分自身が持っている知識と結びつける事が大切です。
得た情報を「そうなんだ」で終わるのではなく、その知識が使える他の場面を考えたりすることも大切です。
要約
要約とは?
要約とは、テキストのまとめをしたり、気になった部分があればそこを書き出したりする方法です。
やっている人も多いと思います。
ハイライト・アンダーライン
ハイライト・アンダーラインとは?
ハイライト・アンダーラインとは、マーカーなどで大切だと思った部分に線を引くことです。
学校で先生の指示により、マーカーで線を引くことは多いと思います。
キーワードメネモニック
キーワードメネモニックとは?
キーワードメネモニックとは、重要なキーワードや写真や図を使用して勉強する方法です。
重要なキーワードをメモしたり、暗記したりすることですね。
テキストイメージング
テキストイメージングとは?
テキストイメージングとは、テキストの内容を頭の中でイメージする方法です。
歴史だとしたら、その時代風景を頭の中で思い浮かべたりすることです。
再読
再読とは?
再読とは、何度も読み返す方法です。
こちらもやっている方は多いと思います。
教科書の本文やノートを何度も読み返したりすることですね。
模試
模試とは?
模試とは、テストを受けたり、自分でテストを作って問題を解いたりする方法です。
こちらも結構やっている方は見受けられる印象です。
分散学習
分散学習とは?
分散学習とは、勉強時間を分散する方法です。
勉強時間が1時間あったら、1時間同じさ教科を勉強するのではなく、20分に分けて3教科勉強したりすることです。
インターリービング
インターリービングとは?
インターリービングとは、一つの勉強の間に様々なパターンの学習を行う方法になります。
数学で例えますと、1時間同じ分野をやるのではなく、ベクトルをやって、二次関数をやって、積分をやって、確率をやるみたいな感じに1時間のうちに同じ数学でも違う分野を勉強したりする方法です。
効果が低かった勉強法TOP3
勉強において効果が低い順番は以下のような結果になりました。
効果が低いだけで全く効果がないというわけではありません。
この3つの勉強法は全て学校の勉強で使うテクニックになります。
実際に私もこの方法で勉強していました。
効果が高かった勉強法TOP3
勉強において効果が高い順は、以下のようになりました。
記憶力を高める勉強法
勉強をするときの脳の働きについて考えたことはありますか?
これを知ることで、情報を保持したり思い出したりする能力が向上するかもしれません。
記憶には大きく分けて、以下の3つの構造があります。
- 感覚記憶
- 作業記憶
- 長期記憶
これらのヒントを使って、3つの記憶構造を活性化し、勉強の効率を上げることができます。
同じ内容を異なる方法で学ぶようにする
感覚的な記憶を活性化させることが第一歩です。
感覚記憶は以下の五感を頼りにしています。
- 視覚
- 聴覚
- 嗅覚
- 味覚
- 触覚
つまり、感覚記憶を活性化するためには、できるだけ多くの感覚を活性化する必要があると考えてください。
私たちは主に視覚と聴覚(音)を使って学習していますが、多くの教科ではこの2つの感覚以外のものも利用しています。
例えば、視覚芸術には触覚が必要です。
教科書を読むだけでなく、ポッドキャストやポスター、プレゼンテーション、オンラインブログなどの視覚教材を使って学習してみてはいかがでしょうか。
感覚的な記憶を活性化させるとき、私たちは注意と知覚のプロセスを行います。
人間は学習するためには注意を払わなければならず、いつでもより多くの認知資源をタスクに割り当てれば、より速く学習することができます。
だからこそ、自宅の静かな部屋や図書館など、学習に適した環境で勉強することに意味があるのです。
感覚と作業記憶は非常に限られているので、学習者は、できるだけ気が散らないように、重要な情報にリソースを割り当てる必要があります。
私たちが情報をどのように解釈するかは、すでに知っていることや過去の経験に基づいています。
慣れない仕事を始める前に、誰かと知識を共有することで、それを活用することができます。
新しいことを学ぶ前に、友人や親と一緒に学んだことを復習してみましょう。
頭の中を整理して(一休みして)、問題にどれだけ注意を払っているかを意識的に考えてみてください。
それでもうまくいかない場合は、アドバイスを求めたり、助けを求めたりして、自分が正しい道を歩めるようにしましょう。
難易度の低い部分からやる
学習者が学習素材を知覚し、注意を払った後、その情報はワーキングメモリに移されます。
ここでは、意識的な処理が行われます。
試験の際には、ワーキングメモリを使って、答えを決めたり、回答の構成を考えたりします。
多くの学習者が気づいていないことですが、長い間勉強していると、最初に学んだほどには学べていないと感じ始めることがあります。
これは、認知的過負荷と呼ばれるものです。
ワーキングメモリに保存できる情報は限られていますが、その大きさは予備知識のレベルによって異なります。
例
例えば、アルファベットを学んでいる子供は予備知識があまりないので、各文字は、例えば26ビットとして個別に保存されます。
慣れてくると、文字が集まって1ビットになります。
ワーキングメモリを効率的に使うためには、自分が学習している情報の種類を考えてみましょう。
ビット数が少ないのか、多いのか。
学ぼうとしていることは、より難しい部分に移る前にマスターしなければならないことですか?
答えが「イエス」であれば、メモリの「ビット」をたくさん使っていることになります。
まず、小さな断片をマスターすることで、不必要な認知資源を使わずに、その情報をより早く思い出すことができます。
次に、より難しいビットに移っていきます。
このような習得方法を「自動化」といいます。
何かを学び、それが自動的な思考やプロセスになることで、学習者はより多くの認知リソースを、より多くのメモリ「ビット」を使うタスクに割り当てることができます。
学校では、掛け算の表を暗記することが奨励されているのは、このためです。
ワーキングメモリには限界があるので、情報を無限の記憶容量を持つ長期記憶に入れたいと思うのはそのためです。
長期記憶に情報を定着させるためには、「エンコード」という作業を行う必要があります。
過去問や作文計画書の作成など、教師にやらされていることの多くは、実はエンコード戦略なのです。
また、ポモドーロ・テクニックというエンコーディング・ストラテジーもあります。
ポロモード・テクニックとは?
ポモドーロ・テクニックとは、タイマーを使って勉強時間を25分ごとに区切って、短い休憩を挟むというものです。
ポモドーロは、不安感を減らし、集中力を高め、モチベーションを高める効果があります。
エンコード時の行動は、長期記憶から作業記憶への情報伝達に影響を与え、作業記憶は質問に対する答えを与えます。
検索時の条件がエンコード時の条件と一致していれば、よりよく記憶することができます。
勉強するときに、静かな環境を再現することが多いのは、このためです。
すでに知っていることに新しい情報をリンクさせる
誰かに効果的に教えることができるということは、あなた自身がしっかりと理解しているということです。
長期記憶は一般的に無限の容量を持っていますが、それはあくまでも記憶構造に過ぎません。
そこに何かを保存したからといって、それを効果的・効率的に取り出せるわけではありません。
多くの人は、勉強しても学んだ情報を取り出すことができないという経験をしています。
あるいは、間違った情報を取り出してしまい、間違った答えを得てしまったこともあります。
これは、浅いレベルで学習したことと、深いレベルで処理したことが原因かもしれません。
前日の夜に資料を丸暗記したということは、その情報を確立された知識構造にリンクさせていないということです。
新しい情報を、すでに長期記憶に保存されている古い情報と結びつけることで、自分自身を助けることができます。
例えば、新しいこととすでに知っていることとの間に類推をするのです。
このような記憶に関する知識があれば、勉強法に効果的なものとそうでないものがあることが理解できます。
受験勉強に限らず、脳の働きを考え、自分に合った学習方法を考えることが大切です。
おすすめの本
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