最近よく夜更かしをしてしまって、なかなか睡眠時間が確保できていない気がするな
睡眠が非常に大事なものということはみなさん理解していると思います。
ですが、「十分な睡眠時間をとれ」と言われても、何かしらの理由があって睡眠時間を確保できない人も多いのが現実です。
最近では、特に脳が発達段階にある子どもの睡眠不足が世界規模で深刻になってきています。
ブリティッシュ・コロンビア大学看護学校の教授であるWendy Hall(ウェンディー・ホール)氏が、脳が発達段階にある子どもの十分な睡眠の重要性を説いていますのでご紹介していきたいと思います。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
睡眠不足の原因
十代の少年少女は成長過程にあり脳も発達段階にあるため、大人よりも多くの睡眠を必要とします。
また眠りと起床のリズムが大人と異なり、メラトニンの放出も遅いので、夜眠くなるまでに時間がかかり、就寝が遅れ、朝起きるのにも時間がかかります。
さらに、SNSやオンラインチャット、ブラウジングといったものが、勉強の圧力とともに学生たちに影響を及ぼします。
一方で、子どもの就寝時間について親はあまりコントロールしない傾向にあるとのことです。
推奨睡眠時間と現実
しかし、これまでの研究で、学校がある日の子どもの53%が8時間未満の睡眠しか取れていないことが判明しています。
また、範囲をアメリカに限定すると、推奨されているだけの睡眠を取り、運動を行い、スクリーン時間を制限できている子どもはほんの5%ほどです。
年齢が上がるほど、この推奨時間を守れない傾向にあることもわかっています。
睡眠時間と健康
10代の少年少女の脳は発達段階にあるので、子どもたちの考えや感情、行動、人間関係は大きく変化します。
脳接続は考える力の発達や、脳信号の変化に関わります。
そして、脳システムのバランスの変化は子どもたちを危険にさらすこともあれば、報酬系を発達させることもあるのです。
一方で、子どもたちのストレス反応系は成熟しており、多くのストレスに反応します。
2016年の研究では8時間未満の睡眠が、以下のようなリスクを上昇させます。
Hall氏の指摘
9時間以上の睡眠は、10代の子どもにとって生活満足度の高さや、健康上の問題の少なさ、家族関係のよさと関係することが示されているとHall氏は指摘しています。
また、学校のある日および休日に6時間以下の睡眠しかとらない子どもは、6時間以上眠る子どもに比べてアルコールや薬物を摂取するリスクが大きく、運転した際に事故を起こす危険性も高いことが示されています。
身体的にみても睡眠時間が長く眠りの質がいい子どもは高血圧や高コレステロールのリスクが小さく、インスリン抵抗性やウエストのサイズといった点でも、睡眠時間が短く睡眠の質が悪い子どもに比べてよい結果を示したとのことです。
この傾向は体脂肪率や運動量、食生活の質、テレビ視聴時間などを考慮してもなおみられたそうです。
動画を見ながらの睡眠
皆さんは動画を見ていたら眠たくなったから、そのまま寝てしまったという経験はないでしょうか?
音を聞きながらの寝落ち
映画などの音は『予測不可能』であることが問題です。
睡眠時に予測不可能な音が耳に入ると、覚醒を引き起こし、睡眠のリズムを乱して睡眠障害を引き起こしうります。
ブルーライトを浴びながらの寝落ち
寝ている間もブルーライトは浴びてしまうのですか?
モニターやスマートフォンから放たれる「ブルーライト」は睡眠を妨げる可能性がありますが、目を閉じていても身体は光を知覚できるため、モニターからの光を浴びながら眠ると、睡眠に悪影響があります。
子どもの睡眠を促進するには寝る前にデバイスのスクリーンを見ることを避けること、そして運動の両方が推奨されています。
両親は子どものベッドから充電パッドや充電ケーブルを離すといった工夫が必要であり、夕方以降は家族でリラックスできる運動などを行い、子どもの睡眠を促すことが重要です。
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