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【寿命や死亡リスクに関係】長時間の座りすぎを対策する方法

男性/悩み

仕事がデスクワークで、どうしても長時間座りっぱなしになってしまう・・・

よく「座りすぎは健康に悪く、死亡するリスクやがんのリスクを高めてしまう」というような話を耳にします。

実際に、座りすぎる事による悪影響について調べた研究というのはあります。

一方で、実は「座りすぎは死亡のリスクとは無関係」という研究結果も出ているのです。

ですので今回は、座りすぎは死亡のリスクと無関係であることを示唆する研究をご紹介します。

それでも、長時間座ることが悪く感じてしまう人もいらっしゃると思いますので、座りっぱなしの悪影響を相殺する方法についてもご紹介します。

この記事でわかること

  • 長時間座ることと死亡リスクの関係
  • 座りっぱなしの悪影響を相殺する方法

この記事を読むべき人

  • 長時間座る人
  • 座ることによる悪影響をなくしたい人

では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。

座る時間が多いと死亡リスクが高まる

最初に座る事による悪影響についての研究結果をご紹介します。

研究結果

この研究によりますと、1日に6時間座る生活を続けていると、たとえ日常的に運動をしていたとしても1日に3時間しか座らない生活の人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増えるそうです。

研究によると、このリスクを回避する方法はただ一つしかなく、それは「座る時間を減らす」ことだそうです。

現代的な生活をしているアメリカ人の平均活動時間はだいたい、1日に9.3時間座り、歩いたり立ったりといった簡単な運動を6時間半行い、0.7時間はランニングやスポーツなどの強度の高い運動をしており、残りの7時間半は睡眠時間となっています。

このなかでも太っている人は、やせている人に比べて1日に2時間半近く長く座っているそうです。

また、現在のアメリカ人の3人に1人は肥満ですが、1980年から2000年の間で運動頻度は変わっていないのに、座っている時間は8%長くなり、その結果肥満は倍増しました。

なぜなら、座っているときはほとんどエネルギーを消費しないからです。

座っている時の消費エネルギー

座っているときの消費エネルギーに比べてほかの動作がどれだけエネルギーを消費するのかについてですが、立っている状態は1.1倍の消費量で、チューインガムをかんでいる時は1.15倍、歩いている時は2.5倍の消費量、階段を上っているときは3.2倍です。

なお、「長時間座り続けなければ良い」というものでもなく、「座ること」がもたらす害は、座った瞬間から始まっているそうです。

さらに、この研究では、心臓病のリスクがあることもわかっています。

心臓病のリスク

デスクワークが中心の仕事をしている人は立ち仕事が中心の人に比べて心臓病になる確率が2倍になるそうです。

また、座った瞬間に足の筋肉からの電気信号が止まり、代謝によるカロリー燃焼率が毎分1kcalほどまで下がってしまいます。

さらに脂肪分解酵素「リパーゼ」による脂肪燃焼率も90%下がり、座ってから2時間が経過すると善玉コレステロールが20%減り、24時間経過した後ではインスリンの効果が24%減って糖尿病のリスクが上昇するそうです。

長時間座ることは喫煙並みに寿命を縮める

座りすぎが死につながる症候群「セデンタリー・デス・シンドローム」は2002年にアメリカ大統領の諮問委員会によって作られた言葉ですが、糖尿病、肥満、心血管系の疾患などを引き起こす「座りすぎ」の害は、喫煙並であるそうです。

座っている時、私たちはあまりエネルギーを必要としません。

これは疑いようのない事実ですが、言い換えると「座っている時、私たちはあまりカロリーを燃焼しない」ということです。

つまり、太りやすいのです。

デスクワークをしている人は1日に300kcalしか消費しない一方で、肉体的な仕事を行う人は2300kcalも消費します。

2012年の11月に約80万人の患者について調べた18の研究結果を分析しました。

研究結果

その結果、最もイスに座る時間が長かった患者は最もイスに座る時間が短かかった患者に比べて

  • 糖尿病のリスクが112%高い
  • 心血管系の疾患は147%高い
  • 心血管疾患を理由とした死因は90%高い
  • 原因を特定しなかった場合の致死率は49%高

このような結果になりました。

これまで喫煙癖は致死率を高め健康を損なうものの代名詞となっていましたが、「座っていること」は喫煙癖と置き換わる新たな習慣であるとされてきています。

タバコと座ることによる寿命

2012年10月に発行されたBritish Journal of Sports Medicineで公開された内容によると、タバコ1本を吸うことで喫煙者は寿命を11分短くしているのですが、1時間テレビを座って見ていることは、当人の寿命を22分縮めているそうです。

これは座ることでカロリーを燃焼しないだけでなく、体内で悪玉コレストロールを体に害のないものに変えるリポ蛋白リパーゼと呼ばれる酵素の生産を抑えてしまうのが原因だそうです。

また、肥満や心臓病・糖尿病を起こしやすくするインスリン抵抗性とも結びつきます。

長時間座ることは死亡リスクと関係ないという研究

この研究は、イングランドのエクセター大学の

  1. リチャード・プルスフォード氏
  2. メルヴィン・ヒルストン氏

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの

  1. エマニュエル・スタマタキス氏
  2. アニー・ブリトン氏
  3. エリック・ブランナー氏

によって行われたもので、「International Journal of Epidemiology」に10月13日(火)に掲載されました。

「長時間座っていること」についてはこれまで、立つよりも死のリスクが高く、健康に悪いことだと考えられており、実際にご紹介しましたように、そういった研究結果が発表されてきました。

研究内容

今回、研究チームは、「長時間座る」の内容を、以下のものと定義しました。

  • 仕事
  • テレビ視聴
  • 余暇
  • テレビ視聴以外の余暇

研究結果

その結果、調査対象者のうち期間中に亡くなったのは450名でしたが、6つの行動の時間の傾向を調べたところ、長時間座っていたことと死のリスクとの間には相関が見られなかったとのこと。

この4つに分けて、さらに「日々のウォーキング」「ウォーキング以外の運動」を加えた6つの行動として、それぞれに費やされた時間を調べました。

「テレビ視聴」も余暇の過ごし方の1つのような気がしますが、長時間座り続けることがあるからか、項目として分けられています。

研究の調査対象は、心疾患の記録がない3720名の男性と1412名の女性、合計5132名で、1997年~1999年から調査が始まり、13年~17年の範囲でデータが集められました。

ポイント

この研究が示しているのは、どれぐらい長く座っていたかが問題なのではなく、運動不足の状態が続いていることに問題があるということです。

もし長時間同じ姿勢でいてエネルギー消費が低い状態が続くのなら、それが座っているにしても立っているにしても、健康に悪影響を及ぼす可能性があることを示唆しています。

従来の研究と今回の研究で言っていることが正反対に見えますが、要するに「健康のためには適度な運動が必要」という、非常にわかりやすい話につながるようです。

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座りすぎの対策

長時間座りっぱなしになると立っている時よりも背中に圧力がかかるため、腰に負担がかかりやすくなるといわれています。

特に、PCを使うデスクワークでは猫背になったり足を組んだりと、姿勢が悪化しがちになり、余計に負担が大きくなります。

また「足は第二の心臓」と呼ばれるように、人間は足を動かすことで血液を全身に循環させています。

そのため、座りっぱなしの生活は血液循環の役割をすべて心臓に負担させることとなり、心臓へ過度の負荷がかかるために狭心症や心筋梗塞などのリスクが増大するといわれています。

シドニー大学のEmmanuel Stamatakis(エマニュエル)教授率いる研究チームは、座りっぱなしによって引き起こされるリスクが運動によってどれだけ相殺されるかを調査するため、オーストラリアの15万人の成人を対象にした45年以上にわたる研究の膨大なデータを分析しました。

分析結果

分析によると、運動をせずに1日8時間以上座っていたグループは、1日1時間運動してかつ1日に座っていた時間が4時間以下のグループ(最適群)と比べて、心血管疾患による死亡リスクが2倍以上も高かったことが判明しました。

また、「座りっぱなしでなければ大丈夫」というわけでもなく、1日に座っている時間が4時間以下だった人でも、1週間の運動時間が150分を下回ると心血管疾患による死亡リスクは最適群にくらべて44~60%高かったことが判明したそうです。

そこで、研究チームは「座りっぱなし1時間分」を「ガーデニングや家事のような中程度の運動1時間分」に置き換えたところ、心血管疾患による死亡リスクが20%程度減少したとのことです。

また、「水泳・エアロビクス・テニスなどの活発な運動1時間分」に置き換えたところ、心血管疾患のリスクが64%減少したとのことです。

研究チームは、1日中座りっぱなしという生活がもたらす健康リスクを相殺するには、1日約20~40分の運動でいいと結論づけています。

毎日行う運動

なお、この毎日行う運動では特にスポーツを行う必要はなく、意識的に速く歩いたり、車ではなく自転車を使って移動したり、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上ったりといった、日常の中でできるちょっとした運動でもかまわないとのことでした。

おすすめの本

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