ストレスを解消するには食べまくるのが効果的!
今まで生きてきて、ストレスを感じたことがない人はいないでしょう。
仕事や学校など、ストレスの原因になるものは沢山あります。
そんなストレスが溜まった時に、皆さんは何をしますでしょうか?
何もしない人、よく寝る人、好きなことをする人など、ストレス発散の方法は人それぞれだと思います。
そんなストレス発散方法の中に、「食べる」という方法があります。
食事が好きな人からすると食べている時間は幸せでストレスが和らぐことでしょう。
しかし、ストレスを感じているときに、「とあるもの」を食べると、ストレスを感じていない時に食べた時よりも太りやすくなってしまうということが、マウス(ネズミ)を使った実験で判明しましたので、今回はそちらの研究をご紹介したいと思います。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
マウスを使ったストレス実験
この研究では、マウスを以下の二つのグループにわけて、それぞれのグループに通常の食事あるいは高脂肪の食事を与えて、マウスがどのような反応を示すのかを観察・分析しました。
- 仲間から引き離し寝床に薄く水を入れることで慢性的にストレスを与えるグループ
- ストレスのない環境に置かれるグループ
ストレスと脳の反応
研究を行ったオーストラリアにあるガルバン研究所の摂食障害ラボ代表であるHerbert Herzog(ハーバート)教授のチームは、その後、マウスの頭を切り開き脳で何が起こっていたのかの特定を試みました。
研究者によると、この現象にはストレスに反応して視床下部と扁桃体から産出される神経ペプチドY(NPY)と言われるものが関係しているとみられるとのことです。
視床下部はマウスや人間の脳の中央に位置し、食欲や空腹感をコントロールする部位であり、扁桃体は不安やストレスといった感情に反応する部位です。
視床下部においてNPYは摂食を刺激するものとして知られています。
体重増加とストレスの間にNPYが関係していると考えた研究者は、マウスのNPY生成をストップさせる処理を行いました。
視床下部がNPYを生成しないようブロックすると、高脂肪の食事を取っても、ストレス下にあるマウスは、ストレス下にないマウスと同程度にしか体重が増加しなかったそうです。
つまり、ストレス食いに関する体重増加には、NPYが関係していることがこの実験から示されたのです。
またこれまでの研究でNPYは、人やマウスの「食べる量」に関係するホルモン「インスリン」とも相互作用することが判明しています。
人が食事をすると血液からグルコースを吸収し、視床下部に「食べるのをやめよう」というシグナルを送るためにインスリンレベルが上昇します。
扁桃体の周辺におけるインスリンレベルが高まると、脳細胞はホルモンに対する感度を低下させます。
すると、NPYがより多く生成されるようになり、体がエネルギーを燃やす能力は落ちていくにも関わらず、食欲が増進されることになります。
なぜ脳がこのようなメカニズムを持っているのかは不明です。
マウスだから人間は関係ない?
「マウスを使った実験だから人間では反応が違うのでは?」と考える人もいらっしゃると思います。
ですが研究者は、マウスと人間が同じシステムを持っていることから、人間でもこのような事態が起こりうるとみています。
なのでストレスが溜まった時に脂肪分の多い食事をすると、太ってしまう原因になりますので、太りたくない人は気をつけるようにしましょう。
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