先延ばし癖を何とかしたい・・・
皆さんはなにかしらのことに取り組む時に先延ばしにしてしまう癖はありますでしょうか?
この先延ばしですが、ある領域ではよくないのですが、特定の領域では先延ばしする人の方が成功しやすいという研究が出ているのです。
では、皆さんが先延ばし癖がある場合、どのように先延ばし癖を利用すればいい成果が出るのかということをご紹介していきたいと思います。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
目次
先延ばし癖がある人が成功する方法
研究の結果から先にご紹介します。
一般的に先延ばしをしてしまうのはよくないという風に言われます。
確かにやらなければいけないことを先延ばしにするのはよくないです。
ですので、やらなければいけないタスクに関しては先延ばしをしてはいけません。
ですが、面白いことを考えなければいけないという場合には、先延ばしをした方がいいという事がいろいろな研究から出ていますので、そちらをご紹介していきたいと思います。
創造性を高める
こうなってしまいますと、創造性としてはあまりないですよね。
一方で、この学生たちの中にランダムに選ばれた何人かの被験者に対して、実際にコンビニの跡地に何を作るかということを考えるのを先延ばしにしてもらったのです。
具体的には、これから学生の人たちにはコンビニの跡地に何を作ればいいかを考えてもらうのですが、その前にソリティアのようなゲームをわざとやってもらったのです。
ですので、先延ばしをすることによって創造性が高まる可能性というのはあるのです。
ですが、毎日やるべきことをやらないでも、「そのうちいいアイデアが思い浮かぶかな?」というのは間違いです。
ですのでまずは、自分がやるべきことについて一度考えて、それからわざと先延ばしをしてもう一度考え直すという事が大切なのです。
この研究は大学の校内で行われた研究なのですが、実際のビジネスを対象にした研究でも、先延ばしをしがちな従業員の方が、より多くの時間を自分の頭で考えることに費やして、上司からも創造性が極めて高いという評価をされていたのです。
ですので上手に先延ばしをする人というのは創造性が高くなるのです。
重要なのは、やるべきことはすぐに終わらして、ゆっくり考えなければいけないことは一瞬考えてから先延ばしをして、それからもう一度考え直すという事が大切というわけです。
ですのでモチベーションがない状態で先延ばしをしてもいいアイデアというのは生まれないというわけです。
物事を先延ばしにする心理的な原因
イギリスの作家ダグラス・アダムスは、「私は締め切りが大好きだ」と書いています。
誰でも、あるプロジェクトを終わらせたいのに、後回しにしてしまった経験があるでしょう。
そのプロジェクトに十分な関心がないために後回しにすることもありますが、関心があっても結局は別のことをしてしまうこともあります。
では、なぜ人は先延ばしにするのでしょうか。
私たちは、このような行動をとるようにできているのでしょうか?
それとも、私たちの仕事への取り組み方に問題があるのでしょうか?
やるかやらないか
あるプロジェクトに今取り組むか、それとも他のことをするか(別のプロジェクトに取り組むか、何か楽しいことをするか、何もしないか)という単純な選択から始まります。
何かに取り組むかどうかの判断は、その瞬間にそのプロジェクトを達成することにどれだけの価値を見出すか、つまり心理学者が主観的価値と呼ぶものに基づいて行われます。
このように考えると、先延ばしを解消するための簡単なコツが見えてきます。
それは、今やっていることの主観的価値を、他のことの価値に比べて高める方法を見つけることです。
プロジェクトの価値を上げるか、気晴らしの価値を下げるか、あるいはその2つを組み合わせるのです。
例
例えば、家の掃除をする代わりに、なぜ学校の課題が自分にとって重要なのかを考えてみるなど。
あるいは、幼児と一緒に住んでいる場合は特に、掃除がどれほど不快なものであるかを考えてみます。
シンプルなアドバイスですが、この戦略を実行するのはなかなか難しいものです。
なぜなら、現在に集中して仕事をすることの価値を低下させる要因があまりにも多いからです。
遠ざかる期限
人の価値観は完全には合理的ではありません。
例えば、ある調査によると、平均して、3ヵ月後に100ドルを受け取るのと、今すぐ83ドルを受け取るのとでは、価値が違うという結果が出ています。
人々は、より大きな報酬を得るために数ヶ月待つよりも、17ドルを失う方を選ぶのです。
遅延割引は、プロジェクトの完了が未来に起こるため、先延ばしの要因となります。
何かを成し遂げることは、遅れて得られる報酬であるため、現在におけるその価値は低下します。
締め切りが遠ければ遠いほど、今すぐプロジェクトに取り組むことは魅力的ではなくなります。
先延ばしにする傾向は、遅延割引の経済モデルと密接に関係していることが、繰り返し研究で示されています。
何かを先に終わらせることの価値を、他の人よりもさらに低く見積もってしまうのです。
タスクを完了することの価値を高める方法の1つは、ゴールを近くに感じさせることです。
例
例えば、将来の報酬を鮮明に想像することで、遅延割引を減らすことができます。
どんな仕事も「楽」ではない
プロジェクトを完了することが未来の出来事であるという理由で評価が下がるだけでなく、仕事には努力が必要であるという単純な事実のために、プロジェクトに取り組むことが魅力的でなくなることもあります。
新しい研究では、精神的な努力には本質的なコストがかかるという考えが支持されています。
このため、人は一般的に、難しい仕事よりも簡単な仕事を選択します。
さらに、難しく感じる仕事には、より大きな主観的コストがかかります(ただし、これらのコストは、目の前のタスクの経験によって相殺されます)。
このことから、人は難しいと思う仕事ほど先延ばしにするだろうという興味深い予測が導かれます。
これは、ある仕事がより多くの労力を必要とすればするほど、同じ労力を他のことに費やした場合に得られる利益が大きくなるからです(経済学者はこれを機会費用と呼びます)。
機会費用があると、大変そうなことに取り組んでも損をした気分になります。
確かに、人は嫌なことほど先延ばしにするという研究結果があります。
これらの結果から、先延ばしを減らすためには、例えば、プロジェクトをより身近で扱いやすいものに分割するなどして、作業の苦痛を減らすことが有効であると考えられます。
あなたの仕事、あなたのアイデンティティ
「先延ばしは価値観の副作用である」と書くと、仕事の完了は能力ではなく、モチベーションの産物であることがわかります。
そこで、作家のロバート・ハンクスは、London Review of Booksに寄稿したエッセイの中で、先延ばしを「a failure of appetites(食い倒れ)」と表現しました。
この「食欲」の源については、少々難しいところがあります。
しかし、私たちの(本当の)食欲のように、それは私たちの日常生活、文化、そして私たち自身の感覚と密接に関わっているものだと言えるでしょう。
では、どうすればプロジェクトの主観的価値を高めることができるのでしょうか?
その有力な方法として、研究者と大学院生は、プロジェクトを自己概念と結びつけることを提案しています。
研究者たちは、ある人の自己概念にとって重要なプロジェクトは、その人にとってより主観的な価値を持つという仮説を立てました。
このような理由から、ハンクスは、先延ばしは「将来の自分を十分に認識できていない」ことに起因するようだと書いています。
人はポジティブな自己概念を維持しようとするので、自分自身の感覚やアイデンティティに密接に関連する目標は、より価値のあるものになります。
人生の目標やコア・バリューなど、より身近な価値観とプロジェクトを結びつけることで、先延ばしの原因である主観的価値の不足を補うことができます。
おすすめの本
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