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【孤独のメリット】孤独を感じて辛い・寂しいと感じる人が知るべき孤独の特徴について

女性/悩み

最近、孤独感を感じる・・・

孤独に対してネガティブな印象を持つ人は多いと思います。

一般的に孤独であることは避けるべきと考えられています。

しかし、歴史上、多くの哲学者が孤独を「最良のもの」と位置づけており、詩人のフランチェスコ・ペトラルカは、「魂をリハビリし、道徳を正し、愛情を新たにし、傷を消し、欠点を取り除き、神と人を和解させる」と言いました。

そんな孤独の持つメリットとは何なのかということを、様々な研究を参考にご紹介したいと思います。

この記事でわかること

  • 孤独のメリットについて
  • 孤独を和らげる方法

この記事を読むべき人

  • 孤独を感じている人
  • 孤独のメリットを知りたい人

では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。

孤独のメリット

まずは、孤独の持つメリットとは何かをご紹介します。

自由

人が孤独であるときというのは、他人から何かを要求されることがないので、好きなタイミングで好きなことを実行に移せます

ポイント

孤独は時間的な余裕を生み出すことが多いので、自分の望むものに注意を向け、好きなだけ思考や想像を行えることもポイントです。

自分と再接続できる

日常の中で人は自分自身よりも人間関係や実行中のプロジェクト、熱中していることに対してエネルギーを注ぎますが、孤独によりエネルギーを必要とする外界とのつながりや、そこから生まれるニーズは取り除かれます。

孤独を愛する人がしばしば強調するのは、孤独により人は普段であれば得られない時間を得て、自分自身と向き合うことができるということです。

ポイント

自分と向き合うことは必ずしも心地いいものではありませんが、定期的に自分自身について評価することで、気持ちを新たにすることが可能です。

これを表すかのように、世界中の多くの文化が、集団から離れて一定期間にわたり孤独に過ごすという儀式を持ちます。

儀式によって経験する苦しみや痛みを伴う孤独は「試練」としての役割を持ちますが、これは「自分自身に満足できなければ、回りの人を幸せにすることはできない」という考えに基づいているのです。

「内面の要塞」を見つけられる

16世紀の哲学者であるミシェル・ド・モンテーニュは、男性の立場から以下のように語ります。

モンテーニュ

私たちは妻や子ども、財産を持ち、健康を保たなければなりません。

幸福は誰かに依存するのではなく、自分というものの上に成り立たなければならない

モンテーニュの語る「自分」は、孤独に伴う完全な自由、「内面の要塞」から生まれるものとのことです。

このような「内面の要塞」というのは、孤独によって手に入れることができるのです。

全体像を見れる

人間は日常の中で、目の前のことや、近い内にやってくる予定に目を向けがちです。

短期的な視点だけを持ち毎日を過ごすことで、気づかないうちに月日が過ぎ去ってしまうということもままあります

しかし、孤独というのは人間に「人生の全体像」を思い出させる手段を与えてくれるのです。

孤独が気付かせてくれるもの

孤独は、自分が生活の中で見過ごしていることは何か、やりたかったのにやらないまま放置したことは何か、自分の人生にとって偉大な存在とは何かを気づかせてくれるのです。

脳に特徴がある

孤独であるか否かは脳の特徴からも判別可能なことが新たな研究で示されました。

カナダにあるマギル大学の研究者たちは、イギリスのオープンデータベースであるUKBiobankの情報を利用し、3万8701人の脳スキャン画像を調査しました。

被験者の内訳は、47.5%が男性、52.5%が女性で、年齢は40~69歳です。

被験者は自分が孤独かどうかについてのアンケートに回答しており、孤独を感じると答えた人は全体の13%で、うち39%が男性、61%が女性でした。

研究結果

アンケート結果と脳スキャン画像の関係を研究チームが分析したところ、自分は孤独であると答えた人は、「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれる脳領域のいくつかが、孤独ではないと答えた人に比べて大きいことが判明しました。

デフォルトモードネットワークは自己認識や記憶に関係する部位といわれており、人が内省したり何かを想像したりする時に活性化するといわれています。

孤独のメリット

これまでの研究から孤独を感じる人は社会的経験の欠如を補うために頭の中で考えることにより集中しやすいことがわかっています。

これらの人の思考パターンには、平均以上の「回想」と「想像上の社会的交流」が含まれるため、自己について考えることが増加することでデフォルトモードネットワークの領域に影響があった可能性が考えられるのです。

2007年には孤独な人は動物やガジェットといった人間以外のものを人間のように扱うことや、架空の会話が多いことが示されており、これは今回の研究結果とも一致します。

孤独を和らげる方法

孤独のメリットを知ったところで、辛さがなくなるわけではないと思いますので、孤独を和らげる方法についてご紹介したいと思います。

孤独を和らげる方法

ニュージーランドにあるオタゴ大学の心理学教授であるエレイン・リース氏が、外に出ず人に会う機会が少ない状態であっても孤独を和らげる方法として、物語に登場する架空のキャラクターと友だちになる方法をを挙げています。

人間がフィクションの物語に触れて架空の世界に浸る傾向は、幼少期に模倣遊びやごっこ遊びをし始める頃から始まります。

子どもの2人に1人は、自分の頭の中に架空の友だちを作るとされています。

特に小学校に入学する前の子どもは、お気に入りのアニメや本などに登場するキャラクターに愛着や友情を感じており、キャラクター側も自分に対して愛着や友情を感じていると信じています。

年をとり、大人に近づくにつれて、子どもたちはアニメやマンガ・絵本・小説などに出てくるキャラクターたちが実際には存在しないことに気づきます。

しかし、人々はその事実を知ったとしても、キャラクターに対する友情や愛情を捨てることはできません。

架空のキャラクターに対して抱く愛着や友情は、現実の人間関係に抱く感情に近いという調査結果も存在します。

人間と架空のキャラクターに対して同じような感情を抱くということは、子どもだけでなく大人も経験することです。

ポイント

架空のキャラクターに対する愛情や友情は、社会性の欠落ではなく、幸福の証とも言えます。

加えて、現実の友人関係が人間にとって良いものであるのと同じように、架空の友人関係も人間にとって良いものであることが示されています。

例えば、頭の中に架空の友だちがいる子どもは、架空の友だちがいない子どもに比べて創造性や共感性のレベルが高いという調査結果が報告されています。

架空の友だちは孤独の解消だけでなく、現実の人間関係を強化することにもつながります。

架空の友だちとの向き合い方として「快適な服を着てくつろぎながら、架空の友だちと遊ぶ時間を作ってみてはいかがでしょうか。

家族や同居人がいるなら、一緒に同じ本を読んだり、アニメやドラマを見たり、どのキャラクターが一番好きかを話しあったりして絆を深めましょう。

おすすめの本

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