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【中学生から大人まで関係】インターネット依存症の原因や症状について

男性

インターネット依存症の原因はなんだろう?

多くの人が使っているインターネット。

インターネットの利用というのは楽しいもので、便利なものです。

しかし、インターネットの利用に依存してしまうと実生活に害を及ぼすといわれています。

今回は、そんなインターネット依存症になってしまう理由について調べた研究がありますのでご紹介します。

この記事でわかること

  • ネット依存症の原因
  • ネットの中毒性について

この記事を読むべき人

  • ネット依存症の危険性を知りたい人
  • ネット依存症の人

では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。

ネット依存の原因

10代の若者におけるインターネット依存と密接に関連する潜在的な害についての研究が、カナダのコンコルディア大学心理学科の研究チームによって発表されました。

PIU

インターネットは生活に必要なツールである一方で、「問題のあるインターネット利用(Problematic Internet Use、PIU)」が問題視されています。

PIUはインターネット中毒、あるいはインターネット依存症とも呼ばれるもので、以下の特徴があるとされ、近年研究が行われています。

インターネット依存症の特徴

  • インターネットの利用時間を制御できない
  • オフラインの社会関係よりもオンラインの活動を優先しがち
  • インターネットが使えない状況で何らかの禁断症状を示す

コンコルディア大学の研究チームは、フィンランドのヘルシンキに住む高校生1750人を対象にインターネット利用の実態を、3年間にわたって調査しました。

この調査の結果から、研究チームは若者がPIUに走る予測因子として、以下の3つを挙げました

  1. 孤独感
  2. 親の育て方
  3. 性別

孤独感

孤独感とは、満足した人間関係の欠如のことです。

ポイント

社会的コミュニケーションが不足した若者が問題のあるインターネット利用に走る可能性が高いということはこれまでの研究でも指摘されていました。

人間関係を十分に築くことができない若者ほど、問題のあるインターネット利用に走る傾向が強いと研究チームは報告しています。

親の育て方

ポイント

親の育て方について研究チームは、親が子どもと満足にコミュニケーションを取って愛情や親密さを十分表現せず、子どもに関心を持たないネグレクトに近い状態にあると、子どもは問題のあるインターネット利用に走る傾向にあると指摘しています。

また母親と関係が良好な若者であるほど問題のあるインターネット利用が減少したとのことです。

性別

ポイント

性別については、研究チームは男性の方が女性よりも問題のあるインターネット利用に走る傾向が強いとみました。

これは、女性は社交の目的でインターネットを利用する傾向にあるのに対して、男性はゲームやムービー、ポルノコンテンツの視聴を目的として衝動的にインターネットを使う傾向があるからだと研究チームは推測しています。

問題のあるインターネット利用をする事による症状

また研究チームは、問題のあるインターネット利用と密接に関連する症状として以下の症状が見られたと指摘しています。

問題のあるネット利用の症状

  • 抑うつ症状
  • 成績の低下
  • 薬物乱用

問題のあるインターネット利用の影響

問題のあるインターネット利用の悪影響についてはこれまでにも研究されており、問題のあるインターネット利用が抑うつ症状や学業成績の低下を招くことは指摘されていました。

ただし、研究チームは調査結果を分析した上で、「問題のあるインターネット利用によって抑うつ症状や学業成績の低下が引き起こされる」のではなく「問題のあるインターネット利用と抑うつ症状や成績の低下はほぼ同時に発生する」とみています。

ここから、「問題のあるインターネット利用」と「抑うつ症状や成績の低下」は一方的な関係ではなく、相互に働きかけ強め合う双方向の関係であると研究チームは論じました。

一部の10代の若者は思春期半ばにインターネットを長時間使うようになります。

しかし、オンラインで過ごす時間は、若者が成熟して自己を形成し、他者との関係を形成するにつれて減少する傾向にあります。

依存症とは限らない

たとえ親から見てインターネットを長時間使っているからといって、実際にメンタルヘルスや学業成績に悪影響がなければ、問題のある行動とは言えません。

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ネットの常習性

お酒をよく飲む人や、タバコをよく吸う人なら特によくわかると思いますが、やめようと思っても簡単にはやめられません。

それはインターネットも同じなのです。

消費者調査会社が、1000人を対象にインターネット利用に関する調査を行いました。

調査内容

調査対象の人々は、日ごろどのようにインターネットを利用し、スマートフォンやPCといった端末のうち何を使っているのかというのを質問されました。

その後インターネットに24時間いっさい触れないように言い渡されました。

調査結果

その結果、インターネットにアクセスできない状態を強いられると、たとえ短時間であっても53%の人は混乱し、40%の人は孤独を感じたのです。

また、この状況に置かれた被験者の中には、「インターネットに一切接続しないでいるのは、まるで飲酒や喫煙を断っているようだ」という感想をもらした人もいました。

ネットは麻薬・タバコと似ている

2011年に発表された、アメリカのメリーランド大学で行われた実験をご紹介します。

実験内容

世界各国の12の大学から総勢100名の被験者を募り、彼らからインターネット端末やテレビ、ラジオ、新聞も含めた情報を得る手段を断ち、手に取ることができるのは電話と書籍という状態で24時間過ごすように指示しました。

その時感じたことをレポートで提出するように求めて、それぞれどのように感じるのかを調査しました。

実験結果

レポート内容を調査したところ、喫煙や麻薬を断とうとしている常習者が示すような身体的・肉体的兆候がレポートに多く見受けられました。

つまり、インターネットをはじめとした情報収集には、麻薬やたばこ並みの常習性があるのです。

この調査ではテレビなども対象となっているため、インターネットを筆頭とした情報収集手段そのものが、現代の人々にとって依存の対象になっているという見方もできそうです。

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