なかなか成長できないのは何故だろう?
皆さんの周りになかなか成長しない人はいませんでしょうか?
あるいは、自分自身がなかなか成長しなくて困っていませんか?
実は成長する人でも、成長が止まってからしばらくたってしまいますと、成長しない人の思考になってしまうのです。
「私は現状成功しているから大丈夫だ」と考えている人も、成長しない人間に変わってしまう可能性が十分にあります。
今回ご紹介する成長しない人の特徴というのを覚えておいて、その行動をしてしまった時には改善する努力をするようにし、成長しない人間になるのを事前に防げるようにしましょう。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
目次
変えられないことにこだわる人
例
例えば「学歴がないのは家が貧乏で塾とか行けなかったから」ということを言う人です。
なぜこのようなことを言うのがダメなのですか?
変えられないものは受け入れて、変えられるものを変えることによって、どうやって自分を変えられるかを考えるのが成長なのです。
これが、成長する人と成長しない人の違いなのです。
メンタルが強すぎる人
メンタルが強いことはいいことではないのですか?
このように感じる人は多いと思います。
確かにメンタルは強くなれば強くなるほど成功しやすいですが、一定以上を超えてしまいますと成長しなくなってしまうのです。
メンタルが強すぎることがダメな理由
メンタルが弱い人は「根性がない」というように感じられて成長がしないイメージかもしれませんが、反対にメンタルが強すぎる人は「根性がない」と言う立場のような人間になってしまいます。
完璧主義な人
当たり前ですが、新しいことにチャレンジしなければ失敗しようがありません。
いつまで経っても現状維持をして、何も失敗しないことが完璧だと思い込んでいるのが完璧主義者で、成長しない人の特徴となります。
同じことを繰り返し練習する人
失敗しないように同じことを何度も繰り返して練習をすることは良いことではないのですか?
このように思うかもしれませんが、もちろん練習しないよりかは何度も同じことを繰り返して練習した方がいいです。
ですが、これにはポイントがあります。
つまり、成長する人は、同じことを繰り返して学んでいるように見えて、少しずつ変更を加えて試しながら練習しているのです。
なので同じことを繰り返して練習するのではなくて、繰り返しの練習の中でも小さな変化を取り入れるということが成長する人の特徴なのです。
過去から逃げる人
過去から逃げる行動は多くの人がやりがちなのです。
過去から逃げるとは?
過去から逃げるというのは、現実逃避や少し嫌なことがあっただけで、その嫌なことを思い出してはそのことを理由に過去から逃げることです。
成長するためには、過去を過去のまま置いておくのはよくないのです。
過去を過去のまま置いておくと言い訳になってしまい、過去を経験にできるように変化させると成長できるのです。
成長思考と学習
この20年間、教育現場で最も影響力のある現象の一つが「成長思考」です。
成長思考とは?
成長思考とは
- 生徒が自分の知能
- 数学などの分野での能力
- 性格
- 創造力 など
さまざまな能力について持っている信念のことです。
グロース・マインドセットの提唱者は、これらの能力は学習と努力によって開発され、「成長」することができると考えています。
一方、「固定観念」と呼ばれる考え方もあります。
固定観念とは?
これは、能力は固定されており、変えることができないと考えるものです。
成長マインドセットと固定マインドセットの理論は、1998年にアメリカの心理学者キャロル・ドウェックと小児外科医クラウディア・ミューラーによって初めて提唱されました。
これらの結果から、固定観念は成長観念よりも学習に不利であると推測されました。
この考え方は、認知科学や行動科学において多くの支持を得ています。
マインドセット
心理学者たちは1世紀以上も前から、人が持つ一連の前提や方法、そしてそれらが動機や行動にどのように影響するかを示す「マインドセット」の概念を研究してきました。
グロースマインドセットは、スタンフォード大学の心理学者アラン・バンデューラが1970年代に提唱した社会的学習理論「ポジティブな自己効力感」に端を発しています。
自己効力感とは?
自己効力感とは、特定の状況下で成功したり、課題を達成したりする能力があると信じることです。
また、グロースマインドセットは、1980〜90年代に研究された「達成志向」を再構築したものです。
ここでは、人はある結果を達成するために、以下のどちらかを採用することができます。
- 「習得志向」(より多くのことを学ぶことを目標とする)
- 「パフォーマンス志向」(知っていることを示すことを目標とする)
グロースマインドセットの考え方は、脳の可塑性(経験によって変化する脳の能力)やタスクポジティブ・タスクネガティブ脳ネットワーク活動(目標志向のタスクの際に活性化される脳ネットワーク)の理論と一致しています。
成長マインドセット理論と固定マインドセット理論は、結果の予測と介入における影響の両方において、エビデンスによって裏付けられています。
しかし、この理論は普遍的な支持を受けていません。
2016年に行われた研究では、大学生の学業成績は成長マインドセットとは関連していませんでした。
学業成績と関連がない理由
これは、成長マインドセットの理解のされ方にも原因があると考えられます。
人は特定のテーマやタスクに対して、成長型や固定型など、異なる時期に異なるマインドセットを示すことがあります。
このことは、固定観念と成長観念の区別が連続していることを示唆しています。
また、人が一度に採用するマインドセットは、ダイナミックであり、場面に依存することを示唆しています。
グロースマインドセット
この理論は、さまざまな教育プログラムで評価されています。
2018年の分析では、生徒の成長マインドセットを高める介入が学業成績に影響するかどうかを調査した多くの研究をレビューしました。
人間の理解と学習プロセスの複雑さを考えれば、この否定的な調査結果は驚くべきことではありません。
ドウェック氏らは、学校の文脈や文化が、グロースマインドセットの介入によって得られた利益が持続するかどうかに関わってくると指摘しています。
知識の変化
マインドセット理論は、2つの別々の現象を混同しているように見えますが、どちらも教育において考慮する必要があります。
どういうことですか?
すなわち、人の実際の能力(知能など)と、それについての考え方です。
研究者は学校でも大学でも、授業の最後に学生たちに、以前は知らなかったのに今は知っていることを挙げてもらうようにしています。
そして、自分の知識がどのように変化したのか、また、現在答えられる質問は何かを説明してもらいます。
また、ティーチングセッションの初期段階では、内容を学んだことで答えられるであろう質問を推測してもらうようにしています。
そうすることにより、どのような変化があるのですか?
このような活動により、生徒は自分の知識がダイナミックであり、さらに向上させることができると考えるようになります。
成長マインドセットの介入
グロースマインドセットを教えられた生徒は、成績やテストの点数が上がるのでしょうか?
Brooke Macnamara(ブルック・マクナマラ)氏らは、グロースマインドセットの介入に関するメタ分析を行い、生徒にグロースマインドセットを教えた場合、有意に高い達成度を示すことを明らかにしました。
しかし、ブルック氏は、これらのプログラムや介入の効果は、統計的には有意であっても、実際に意味を持つには小さすぎると考えています。
研究者、そして教育評価の専門家、経済学者、世界銀行は、これに同意していません。
この研究がきっかけで成長マインドセットの介入が生まれたのだから、もちろんその効果は意味があるのではないですか?
しかし、研究者達とブルック氏の意見の相違は、教育的介入の意味のある効果量とは何かという点にあります。
ブルック氏は、教育的介入の平均的または典型的な効果量は0.57であると述べています。
成績平均値の場合、典型的な介入グループの生徒の成績は、4.0スケールの対照グループよりも約0.57ポイント高いということになります。
成績への影響
しかし、この文献をよく見てみると、効果の大きさが0.57であった研究の多くは、実際の成績や標準化されたテストのスコアに対する効果をまったく調べていないことがわかりました。
では、どのようなものを調べていたのですか?
生徒に何かを教えた数分後に行われる小テストの成績を調べたものが多いのです。
成長マインドセットの介入に適した比較対象は、実際の成績やメジャーテストのスコアに対する効果を調べた教育的介入です。
例えば、ある州のすべての小学校で少人数制の授業を行った場合、効果の大きさは0.20でした。
実際、9年生から10年生までの1年間の学校での学習は、標準化されたテストで測定されるように、教科全体で約0.20の効果サイズをもたらします。
平均的な教師ではなく、優れた教師のもとで1年間学ぶと、通常、効果の大きさは約0.20になります。
0.20という数字は大きいのですか?
教育経済学者の第一人者であるスー・ダイナースキー氏は、現実の世界では、効果の大きさが0.20というのは 「大きな効果」だと言っています。
低学歴の生徒への効果サイズ
マクナマラの報告によると、グロースマインドセットによる介入の効果サイズは、低学力のリスクがある生徒、つまり学力向上を最も必要としている生徒に対して0.19です。
高学歴の生徒への効果サイズ
リスクを抱えていない生徒や、すでに高い学力を持つ生徒を含めると、効果の大きさは全体で0.08となります。
適切な比較対象を用いれば、これらの効果はそれほど小さくは見えません。
おすすめの本
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