本当に砂糖の摂りすぎは良くないのかな?
世界保健機関(WHO)は、「遊離糖」を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しています。
これは、平均的な成人の場合、1日にティースプーン12杯程度に相当します。
しかし、日本人の多くがこの制限値を超えており、気づいていないことが多いのです。
「遊離糖」は、私たちがコーヒーや紅茶に甘味を加えたり、家庭料理に加えたりするだけでなく、製造業者が加工時に加えるものでもあります。
人気のある食品や飲料に、小さじ何杯もの砂糖が加えられていることに驚くこともしばしばです。
そんな色々なところに使われていて、気づけば大量に摂取してしまいがちな砂糖ですが、摂りすぎることによる健康な被害というのはどのようなものなのかご紹介していきたいと思います。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
内臓脂肪
砂糖の過剰摂取に関する懸念は、ほとんどが体重増加に向けられていますが、それは当然のことです。
私たちの肝臓は砂糖を脂肪に変えることができます。
では、毎週のように報道されている糖質やその他の疾患については、科学的にどうなのでしょうか?
認知症とがんの2つの例を見てみましょう。
認知症
認知症とは?
認知症とは、記憶喪失、混乱、性格の変化などを引き起こす脳の障害の総称です。
アルツハイマー病も、認知症の一種です。
日本は全人口における認知症有病率が2.33%となり、OECD加盟国のうちで最多なのです。
砂糖が認知症の原因になるのですか?
砂糖が認知症の原因になるという研究結果はありません。
高糖質の食生活と認知症の間には関連性があるということですが、一方が他方を引き起こすということを示す証拠はありません。
2016年にニュージーランドで行われた人間の脳の死後調査では、脳の7つの異なる領域を評価しました。
その結果、最もダメージを受けた部位では、グルコース(糖)のレベルが著しく上昇していることがわかりました。
健康な細胞は通常、グルコースのレベルが上昇することはありません。
これは、2017年にボルチモアで行われた死後の脳と血液サンプルの別の分析でも判明しました。
この血糖値は糖尿病を示すものではありませんでした。
これらの研究結果を総合すると、アルツハイマー病患者の脳では、エネルギー源となる糖の代謝がうまくいっていないことがわかります。
脳の変化は、長期間にわたる血糖値の持続的な上昇と関連しているようです。
また、脳細胞へのダメージは、アルツハイマー病の症状が現れるよりもずっと前に起こっています。
砂糖を大量に摂取するだけで、脳内にブドウ糖が蓄積されるのかどうかはわかりません。
しかし、他の研究もこの説を支持しています。
また、清涼飲料水とフルーツジュースを比較した別の分析でも、同様の影響が報告されています。
癌
癌は、体内の細胞が突然変異し、急速に増殖する病気です。
日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するといわれています。
砂糖ががんを引き起こすという証拠はありませんが、少なくとも2つの関連性があります。
砂糖とがんを結びつける2つ目の直接的な経路は、砂糖がインスリンの分泌を促進することです。
インスリンは、細胞を成長させる強力なホルモンシグナルです。
がん細胞もまた、糖分をエネルギー源として増殖を続けています。
このことから、体重の変化とは無関係に、糖分の摂り過ぎはがんの発症リスクを高める可能性があると考えられます。
しかし、がんと砂糖の摂取を直接関連付けるデータの質については、慎重に判断する必要があります。
最後に
現在、糖質に関する議論の多くは、エネルギーの過剰摂取と体重増加の影響、そしてそれに伴う糖尿病、心臓病、がん、一部の認知症のリスクに焦点を当てています。
しかし、体重過多や肥満はこれらの病気のリスクを高めますが、体重過多が必須条件ではありません。
病気の発症には、遺伝子や生活習慣など、食事以外の要素も関係していることは間違いありませんが、高糖質の食生活がもたらす弊害についての証拠は蓄積されています。
多くの人が糖分の摂取量を制限することを考えるのに十分な説得力があるのは確かです。
砂糖そのものが原因であるかどうかにかかわらず、甘いものが健康問題と関連していることは、砂糖を控える理由として十分でしょう。
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