ネガティブに物事を考えるのは良くないから、なんでもポジティブに考えよう!
何事もポジティブに考えようとするのは素晴らしいことだと思います。
ですがそのような人にとっては辛い現実なのですが、ポジティブに考えたからといって上手くいくことはほとんどありません。
実は多くの日本人にとってポジティブ思考というのは害になってしまうのです。
なぜかと言いますと、ポジティブに考えた方がうまくいくかどうかというのは我々の遺伝子によって左右され、日本人の遺伝子の95%近くは、いわゆるポジティブ思考が合わないメンタルを作る遺伝子なのです。
でも自己啓発の本などで、ポジティブに考えると上手くいくと書いてあるものが多い気がします。
そのように感じるかもしれませんが、前向きに考えればうまくいくという考え方は欧米で始まったことなので、日本人よりも欧米人の方がポジティブ思考が合うメンタルを作る遺伝子を多く持っているのです。
なので日本人が無理にポジティブ思考になろうとしてもデメリットしかないのです。
ですので今回は、ポジティブ思考が危険な方向に働いてしまう人の特徴について5つご紹介したいと思います。
もしこの5つの中に皆さんがやっていることがあれば、すぐにやめたほうがいいでしょう。
では、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
目次
前向きに考えてリバウンドしている
「ネガティブ思考はダメだから、ポジティブ思考で前向きに考えていこう」と思ったとしても、このように考えている時点でその人はポジティブではないので、ポジティブ思考は合いません。
本当にポジティブな人というのは、「ネガティブ思考はダメだから、ポジティブ思考で前向きに考えていこう」なんて全く考えずに、ポジティブな考えができる人です。
本当はポジティブではない人が、無理やりポジティブ思考になろうとしてネガティブなことを考えないようにすることで、心理学者のダニエル・ウェグナーさんが発表したシロクマのリバウンド効果というものが起きてしまいます。
シロクマのリバウンド効果
シロクマのリバウンド効果というのは、1987年にアメリカのトリニティ大学でダニエル・ウェグナーという方によって行われた研究です。
実験内容は、実験参加者の学生を2つのグループに分けて、それぞれのグループにこのような指示を出しました。
- シロクマについて考えてください
- シロクマのことだけは考えないでくさい
この指示を5分間守ってもらった後、それぞれのグループに与えられた指示を反対にして、もう一度5分間指示を守ってもらいました。
これがシロクマのリバウンド効果です。
ウェグナー氏はシロクマ以外にも色々な実験を重ね、この現象は色々な対象に対しても発生することを突き止め、人は何かの対象について考えないようにすると、かえって余計に考えてしまうということをウェグナーは皮肉なリバウンド効果と名付けました。
つまり、ポジティブではない人が無理やりポジティブになろうとすると、無駄にネガティブなことを考えてしまうようになって、逆効果になってしまうというわけです。
なのでネガティブはダメだと思って無理にポジティブになろうとするのはやめるようにしましょう。
不安から逃げるために大きな目標を立てている
別に大きな目標を立てることは構わないのですが、その大きな目標を立てたら一度そのことを忘れて、その大きな目標に向かって進める今できる小さなことに目を向ける必要があります。
例
例えば、楽器で弾きたい曲があるけれど、楽器を弾いたことがない場合、大きな目標は「弾きたい曲を弾けるようになる」です。
ですが楽器未経験の人がこの大きな目標を達成するには、最低限の練習が必要になります。
そしたら、どのような練習をすればいいのかなどを調べると思います。
つまり、いきなり大きな目標に取り掛かるのではなくて、今の自分にできる小さなことから取り掛かると思います。
人生でもこれと同じことをする必要があります。
目指すゴールを決める必要はありますが、その方向を決めたら今できることに手をつけることをしなくてはいけません。
ネガティブがダメだと思ってポジティブになろうとしている人は、ポジティブに考えて大きな目標を立てることによって、目の前の不安や問題から逃げてしまうということをやってしまいがちなのです。
目標設定の罠
副作用の一部の例とましては、
- 目標の範囲外に目を向けない視野狭窄
- 倫理に反する行動の促進
- 歪んだリスク選好
- 組織文化の弱体化
- 内発的動機の減退
などを挙げています。
なので、目標は決めてもいいのですが、それを決めたら一旦忘れて今やるべきことに集中することが大切なのです。
ところが、無理にポジティブになろうとしている人たちは、自分の不安から逃げるために大きな目標を立てて、その大きな目標にばかり目を向けて、それにより目の前のことに手をつけないので、いつまでたってもその目標に近づくことが出来ないのです。
不安から逃げるためだけに大きな目標を立ててしまうというのが、ポジティブシンキングの大きな罠というわけなのです。
仕事を好きになろうとする
ポジティブに考えようとすればするほど反対にネガティブになってしまうのと同じで、仕事に情熱を注ごうとすればするほど離職率が高くなるということがわかっているのです。
ですので仕事は情熱を注いで好きになろうとするのではなく、割り切ってしまうのが一番いいのです。
なので仕事を割り切る方法についてご紹介したいと思います。
失敗を恐れない
当たり前ですが最初から完璧に仕事ができる人はいません。
もちろん1つのミスが大きな問題になるようなものは失敗をしないようにしなければいけませんが、普通に取り返せるようなミスであれば恐れないようにしましょう。
ミスと自分の人格を一緒にしない
仕事で失敗してしまったときに「自分は本当にダメな人間だ」というように自分の人格を否定する人がいますが、仕事での失敗と人格は全く関係ありません。
事実だけを捉え、そのミスに対してどのように対処するかを考えればいいだけのことで、自分を責めるのはやめましょう。
他人の目を気にしない
職場の人間関係で悩む人も多いと思いますが、やらなければいけないことをやっていれば他人に文句などを言われる筋合いはないです。
仕事は会社と契約してやっているものであり、お金を稼ぐためにやっています。
会社は友達を作るために通っているのではありません。
だからといって周囲の人と仲良くする必要がないのではなく、理不尽な文句などの雑音に耳を傾ける必要はないということです。
なので他人に何を言われようが難しいかもしれませんが気にしないようにしましょう。
ゲーム化する
仕事もゲームだと考えてください。
ゲームであれば誰でも割り切って考えることができるはずですし、ゲームで負けたからといって人生終わったとまでは考えないと思います。
これにより続けることができるようになり、続けていればある程度成果が出やすくなったり工夫や改善も自然とするようになるのです。
自信を持とうとする
ネガティブはダメだからと言ってポジティブになろうとしている人たちは、自信を持てば何とかなると思い頑張って自信を持とうとしますが、そもそも自信がない人が自信を持とうとすると、そもそも今の状態に満足することができていないわけなので、「もっと頑張ろう」とかより完璧な状態を目指そうとしてしまうのです。
人生の満足度や仕事などの成果と自分に自信があるかどうかというのは全く関係ありません。
もちろん、自信が低すぎるのは問題ですが高すぎるとそれはそれで問題が出てきてしまいます。
必要なのは自信ではなく、皆さんが何かを行おうとするときの知識や能力なのです。
なので、自分に自信を持とうとするよりも正しい知識の手に入れ方を学んだ方がいいのです。
ですので、正しい知識の手に入れ方についてご紹介したいと思います。
自分の力で学ぶ
新しいスキルなどを学んだり身につけようとしたとき、インターネットや本などを頼ると思います。
最初はそれでいいのですが、それを続けていると自分自身で問題を解決していないので、本当の学びが起きなくなってしまいます。
サイエンス・ライターのアニー・マーフィー・ポール氏は、学ぶためには失敗が必要だということを「生産的な失敗」と呼んでいます。
失敗を乗り越えることで、大きな利益が得られます。
そのためには、失敗するように状況をセットアップすることです。
ガイドやサポートなしで困難な問題に取り組むのです。
シンガポール国立教育研究所のマヌー・カプール氏は、何のサポートもない状況で数学の問題に取り組んだ人たちの多くが、正しい解答に辿りつけなかったと報告しています。
その代わり、彼らは問題の性質や潜在的な解決策について、数多くのアイデアを生み出しました。
それらはすべて、将来同じような問題に取り組むときに役立つものです。
カプール氏はこれを「生産的な失敗」と呼びます。
あなたも、何の情報もない状態で問題と格闘し、学習プロセスに「生産的な失敗」を組み込んでください。
学習時間を分散する
新しいスキルを学ぶ時、ついやり過ぎてしまったり、何時間も息を詰めて取り組みがちですが、いつもそれが良いとは限りません。
やりすぎてしまうぐらいなら「分散学習」のほうが効果的だと考えられています。
Psychological Science in the Public Interest誌に掲載された研究によると、分散学習は集中学習よりずっと効果があるということが示唆されています。
ドンロスキー氏と同僚たちは、時間間隔を開けながら勉強すること、試験の前に自分で問題を作って小テストをするのが、効果が高い学習方法だと報告しています。
どちらのテクニックも、試験の種類や年齢を問わず効果があることが、繰り返し証明されています。
「私は、学生たちが使っている学習法にショックを受けました。
教科書にマーカーで印をつけたり、教科書をひたすら読み続けているのです。
これでは学習効果は限られます。
単純に時間間隔を開けて学習するだけで効果はずっと高まります」
ネガティブ思考を避けている
自然とポジティブな感情が湧き出てくるのであればとても良いことなのですが、ネガティブがダメだからポジティブになろうとしている人たちには、ポジティブになろうというよりもネガティブ思考を避けているだけに過ぎない人が結構多いのです。
実は人間は最悪な状態を想定すると不安が和らいでいくいきものなのです。
ネガティブな感情に追い詰められてしまうとよくありませんが、人は、自ら積極的にネガティブに向き合おうとした時には、ストレスが軽減したり不安が解消するということが結構起きます。
お化け屋敷などがその例です。
自ら積極的に恐怖体験をした時にはストレス発散の効果があるので、人間は怖い思いを体験しに行くのです。
これと同じように最悪な事態を想定することで、逆に未来に対する不安が減少するという現象が確認されています。
なのでネガティブ思考がダメだから避けている人は、ネガティブ思考にも重要な効果があるということを覚えておきましょう。
ネガティブ思考のメリットとしてはこのようなものがあります。
最悪の事態に備えられる
ネガティブ思考の人は心配性な人がほとんどですので、危機管理能力が高いのです。
「もしこうなったらどうしよう」というような不安を先に考えることができますので、実際にその出来事が起こった時にうまく対応することができます。
物事を慎重に進められる
ネガティブな人は何事も否定的に考えるので、悪いことが起こることを想定して、保守的に物事を進められるのです。
ひとつひとつチェックしながら丁寧に取り組むのでミスが少ないこともメリットになります。
良いアイデアが浮かぶ
ネガティブ思考の人は、ネガティブなことによく目がいってしまいます。
そのせいでつらくなることもあるのですが、その繊細さにはメリットもあり、ほかの人が気づかないことにも気づけるので、いいアイデアが思い浮かんだりするのです。
おすすめの本
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